2006年04月07日

黄金郷アドベンチャー・序章1/光と闇の鏡面世界

 世界は光と闇とで築かれていた。そこに光ある故に影ができ、影がある故に光の存在が認識される。切り離すことは絶対に不可能な2つの存在。世界の源。そこに存在するあらゆるものの両極の長。光と闇。光神と闇神。
その世界は、平行世界という形を成し、相反する両極神の対立を避けていた。いや、両極神は、そうすることによってお互いの争いを避けていたとも言えよう。
鏡面世界、すぐ横にあって、ないもの。同じ位置に存在していて見えぬもの。

本来同じ世界に混在しているはずのものである光と闇。その為か、それは、ほんの少し世界軸をずらしただけの平行世界となって存在していた。
だが、ともかく、2つの世界は異なった世界軸の上に形成されていた。故に、光の世界と闇の世界は常に相手の世界は目には見えず、手では触れることはできずとも、すぐ横に、すぐ傍に、いや、ほぼ同じ所に存在していたのである。そうすることによって1つの世界と成していた。ほんのわずかなずれが、2つを隔てている壁だったのである。


が、ある時、デオンリードという名の魔導師が、太古の時代、光神と闇神が相まみえることのないようにと、それぞれの世界を割ったとされる、金と銀の車輪に関する文献を、遺跡で見つけたことから、事は起こった。
世を恨み、人を恨んでいた彼は、割られた2つの世界の象徴である金と銀の車輪のを見つけ、2つの世界を結ぶ道を創り上げてこの地に闇を呼び寄せることを決心した。
2つの車輪が同じ車軸で繋がるとき、その時こそ、闇世界への道が開く時。そして、一方的に闇を呼び寄せれば、この世界を闇で覆い破滅の道へ落とすことができるのである。
世界中の遺跡、迷宮の類を探索し、ようやくそれを発見した彼は、次に車輪と車輪を繋ぐ軸を形成する為の糧を得るため、そこに広大な地下迷宮を作り上げあちこちに宝物をちりばめた。
その糧とは、光の世界の住人である人間の魂と、闇の世界の住人である魔族、魔物の魂。それらを念じ合わせたものが2つの車輪(世界)を結ぶ軸(道)となる。

彼の計画は順調に進んでいた。
彼の作った宝物がちりばめられた迷宮は、冒険家たちのもってこいの探索場所となった。
そして、初めにできた小さな道から彼は魔族を呼び寄せ、迷宮へ配置した。後は、両者の戦闘で軸は確実に太く大きく育っていく。

そして、もちろん、その彼の計画を阻止しようとするものも存在していた。
皮肉にもそれは、彼が魔に走る前の恋人だった。
いつしか迷宮で、魔女と呼ばれるようになったその恋人の名はリュフォンヌ。いや、まだ恋人とまではいってない淡い思いのうちに、2人の別れはあった。
デオンリードの計画を阻止しようと、その魔力に対抗できる力を得る為、彼女は必死になっ魔術を学び、まるで何かに取り憑かれたように恐ろしいほどの勢いで魔力を吸収していく彼女は、傍目にはそうとしか写らないのだろう。
ただ、好きだったデオンリードにその計画を思いとどまって欲しい、闇に飲まれ、盲目になってしまったその目を醒まさせたい。彼女は必死で力をつけ、術を磨いた。
迷宮地下深くにいるデオンリード。その彼に会い、バカなことはやめろと説得する為には、そこまでにはびこっている強力な魔物を倒して進められる力が必要だったからだった。


そして、その時は来た。
迷宮を探索する過程で知り合った戦士カルロスと共に彼女はデオンリードの前に立つ。

「ディー!!!」
愛称で彼を呼ぶリュフォンヌの声が迷宮最深部の洞窟に響き渡る。
だが、そこにいたのは、彼女が知っているデオンリードではなかった。その形相もすっかり悪鬼のように変わりはててしまい、彼女が知っているやさしさはどこにもない。
もちろん、どんなにリュフォンヌが必死になって名を呼ぼうが、何を話そうが、耳は貸してくれそうもない。

2人の姿を見つけた時、彼は、にやっと嬉しそうに微笑んだ。ただし、獲物を見つけたときのそれだったように見えるが。
「よくぞここまで下りてこられたものだな。誉めてつかわそう。このわし、魔の大魔導師、直々にな。」
「ディー、分からないの?私よ?!リュフォンヌよ?!」
「ダメだ、奴はすでに人間じゃないっ!」
悲痛な表情で叫んで駆け寄ろうとするリュフォンヌを、カルロスは止める。
その瞳は、諦めろ、と語っていた。
でも・・と反論しようとしたところに、デオンリードが放った爆風が襲いかかり、カルロスは咄嗟にリュフォンヌを抱きかかえて地を転がってなんとかその直撃を避けた。

「大丈夫か?」
「え、ええ、私は・・大丈夫・・・」
(でも・・・やるしかない・・・のよね?)
(ああ。)
2人は目で語る。
どう見てもそこにデオンリードの面影もなく、そして、心もなかった。元には戻りそうもない。
唇をかみしめ、悲しい決意をしたリュフォンヌは、すっと立ち上がると、杖を構え、攻撃呪文を唱えはじめ、カルロスは精神を集中している彼女を守るように、剣を構え、デオンリードを睨んで彼女の前に立つ。
そのデオンリードもまた巨大にふくれあがりつつある瘴気の光球を形成しつつあった。


そして、2つの魔光球がそこでぶつかりあった。
激しい衝撃と閃光が、地下迷宮を最深部から飲み込み、それは、徐々に広がっていく。その広がっていく閃光の中、リュフォンヌとカルロスは、ぞっとする言葉を耳にした。

「ふふふ・・・・あはははは・・・・これでいい・・・これで鏡面世界との道が繋がる。空間の歪みが、世界のあちこちにできあがる。その亀裂から闇世界の者たちがやってくる。・・・・これで愚かな人類も息絶える。・・・・あはははは・・・最後の最後、どうしても達し得なかったエネルギーに、こうして達することができて嬉しいぞ。」
「な、なんですって?」
「協力感謝するぞ、そこな魔女。これで思い残すことはない。世界の滅亡と共にわしも消える。いや、わしは闇と一体となる。」
「な・・・?」
「広がれ、広がれ・・・思う存分広がるがいい。瘴気の刃よ。空間を斬裂き、呼び寄せるがいい。お主らの主人を。魔族たちをこの世界へ。」
「ディー?!」
リュフォンヌの悲鳴が聞こえる中、閃光の中のデオンリードの姿は消滅していった。


同じその閃光の中。結界の中でデオンリードが消えていく様子を見、そして、その思わず戦慄が走ったその言葉を聞き、リュフォンヌもカルロスも愕然とする。
最後のボタンを自分たちが押してしまった。平行世界である闇世界を、自分たちが引き寄せてしまった。
そのことに愕然とする。が、その間も、瘴気を孕んだその閃光はものすごい勢いで、まるで世界を飲みつくさんと言わんばかりの勢いで広がっていく。
おそらく地上へ出るのもあと数秒・・そして、地上へ出れば、遮るものは何もない。世界はまたたくまに瘴気に覆われてしまう。

「カルロス、後はお願い!」
「は?」
何をする気だ?と聞く間もなく、リュフォンヌは呪文の詠唱という段階を飛ばし、彼女の全能力を解き放った。

閃光の中にもう一つあらたな閃光が形成され、それは大きくふくらんでいった。
posted by 語り部 at 07:53| +黄金郷アドベンチャー/序章1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

黄金郷アドベンチャー・序章2/その1・死と宝の迷宮



 「リュフォンヌ、もう行くのか?怪我が治ったばかりだろ?」
「ええ、そうよ。」
「10Fまで降りたんだって?そんな命知らずな事するからだぞ?命からがら逃げてきたっていうじゃないか?そこまで行かなくったって、お宝は結構あんだからさ?どうだ、今日はオレらと一緒に5F辺りまで?」
「ありがと、でも、私・・・」
「一緒に行った奴ら、みんなおだぶつなんだろ?」
「え、ええ・・・・。」
「仲間の弔いってんなら、無理する必要はないさ。死んじまった奴らだってそんな事ぁ望んじゃいねーよ。下へ行く者はみ????んなそれ覚悟で行くんだからな?だからさー、1,2Fじゃろくな宝はなくても5Fまで行きゃー、かなりのものは手に入るんだ。1回潜りゃ1週間は遊んで暮らせるぜ?」
「悪いけど、私は遊んで暮らすお金欲しさに潜るんじゃないの。」
「そんな固いこと言ってるとそのうち誰も相手にしてくれなくなるぞ?だいたい、穴になんか潜らなくったって、あんたほどの美人なら、ちょいと笑いかけりゃ、貢いでくれる男などわんさといるぞ?」

魔火山と呼ばれる山の麓にある小さな町。そこの酒場での光景。
百戦錬磨と思えるほどの傷をあちこちに負った体躯のいい男が、一人の魔法使いらしい女を口説こうとしていた。
真っ黒なローブと対照的に色白のその女は、かなりの美人の部類に入ると思えた。その男だけでなく、酒場にいる男たち全員の視線が注がれているといっても間違いではなかった。
「そういうのは好きじゃないって言ったでしょ?私が欲してるのは、貢いでくれる男じゃなくて、下へ一緒に潜ってくれる仲間よ。腕のたつね?」
きっときつい視線放った彼女は、男に同行する気があるのかどうか、その視線で問う。
「あ、いや・・・・オ、オレは・・付き合っても・・・いいんだが、あ、相棒が・・・」
「そう。じゃ。」
落胆の表情を見せるわけでもなく、リュフォンヌは酒場を後にした。


「いつもの事ね・・・・」
地下20階とも30階とも、いや、無限に続いているとも、地獄の底まで続いていると言われているその地下迷宮。
尽きることがないような山のような宝目当てに、その小さな町には世界各地からありとあらゆる種族、そして、職種の探索者たちで賑わっていた。
その喧騒さで満ちている通りを足早に抜け、リュフォンヌは町の後ろにそびえ立つ火の山へと向かった。



魔の迷宮への入口はその山の中腹付近にあった。
ぼこぼこと沸き立つマグマの見えるそこには、いつの間にかできたのか、お助け小屋と呼ばれるよばれるようになったテントがあった。
そこで多少の食材や武器、薬類の調達ができた。そして、これがお助け小屋と呼ばれるようになった由来なのだが、そこには転移の魔法陣があった。
そう、最悪の場合、地下迷宮から瞬時にしてそこへ転移できるのである。

テントの持ち主は、いわゆる闇屋と呼ばれる職業を糧としている。その為、足下を見る。
強い者にはそれなりに対応するが、弱者と見ると、膨大な価格をふっかけてくることもあった。勿論、転移の魔法陣の利用代金もそうである。しかも先払い。いわゆる保険のようなものだった。しかも1回こっきりなのである。保険がほしければ、潜る度に支払わなくてはならない。

弱みをみせなければ、結構重宝する店であると言えた。
先回の探索で、仲間全滅という最悪の事態に陥りながらも、リュフォンヌが助かったのは、最後の頼みの綱であるその保険のおかげだった。
ただ・・・その魔法が発動し、転移するまでに、不運にも同行した仲間たち全員、魔物から致命的な攻撃を受けてしまっただけなのである。”だけ”と言うには厳しすぎる事実だが、それもまたありなのである。
女性であるリュフォンヌをかばってくれたことが幸いしていたのも事実だった。


「シド・・ゴーヤ・・・レイ・・・」
リュフォンヌは、その時のことを思い出しながら、地下への移動箱に乗っていた。
(今日は10Fまで直行できるかしら?)
自動移動箱のドア(ドアと呼べれるのなら)は一応鉄製の柵でできてはいるが、柵ゆえに、各階においてその傍にいる魔物や探索者は丸見えなのである。
そういうこともあり、10Fまで降りられるそれで、それまでに直通で行ったことはなかった。いつもその途中で助けを求める人の姿と出会い、途中下車してしまうのである。
先回の探索で10Fまでつきあってくれた探索者たちもそうだった。
力を貸したリュフォンヌに、そのお礼としてつきあってくれたのだが・・・結果は最悪だった。

(決して腕がなかったわけじゃないわ。3人とも、かなりの実力の持ち主だった。)
一端は断ったが、しばらく探索してみて彼らの腕ならもしかして行けるかもしれないと判断して、10Fまで降りたのだが・・・。


(今回は・・・・どこまでいけるかしら?・・ううん・・・生きて帰れるのかしら?)
ふとそんな弱気がリュフォンヌの心を過ぎった。

黄金郷アドベンチャー・序章3/その1・翠玉の巫女

 森深き山々に囲まれた盆地に小さな村があった。
そこは自然と通じ、神秘な神通力を持つ巫女の村として、世に知る人は知る場所であり、一族だった。
ただ、その力故、閉鎖的でもあった一族は、その神通力を頼って訪れる者の出入り以外、滅多なことでその村から出ることはなかった。
しかし、世の流れ、交通の発達により、困難だったその村への到達が容易にできるようになり始めると同時に、村も、そして、一族も変わりつつあった。

が、代々村長(むらおさ)でもある族長直系の巫女長(みこおさ)に対する尊敬と畏怖の念は変わらず人々に継承されていた。その巫力は、一族の中でも群を抜いて秀でたものであった。


緑柱石・・翠玉、あるいはエメラルドとも呼ばれる宝玉の鉱床があるその地方。村人である坑夫が新たな鉱床を発見したその日は、奇しくも20年来子宝に恵まれなかった巫女長の出産の日と重なり、村人はようやく得た後継者誕生を祝って、掘り出した翠玉のなかからもっとも純度が高いものを選んで、大きな原石のまま、その祝いに献上した。

陽の反射により少し青みがかかった緑色を放つ特大の緑柱石。
巫女長が、生まれたばかりの幼子にそれを見せると、それまで火がついたように泣き続けていたその子が、不思議なことにすっと泣きやんで手を差し伸べたことから、その子供はいつしか翠玉の巫女と呼ばれるようになった。
翠玉の巫女。それは、ただ単にその事だけではなく、成長した彼女が、その時村人から献上された緑柱石の中に、様々な物を見るようになったからである。それは予知であったり、過去であったり、つまり、彼女にとってそれは、占術師が使う魔法の水晶の役目を担っていた。

麻依と名付けられたその少女は、巫女長をはじめ、村人たちの慈愛と、豊かな自然の中ですくすくと育っていった。




 その日は、麻依の15歳の誕生日。巫女長である母に呼ばれ、麻依は神降りの滝の社へ足を運んだ。
「母巫女様、何か?」
「麻依、こちらへお座りなさい。」
「はい。」

しばらく2人は向かい合って見つめ合っていた。
静寂さの中に滝の音だけが周囲に響き渡る。

「今日でそなたも15歳。」
「はい。」
麻依を見つめていた真剣な表情を崩し、巫女長は笑顔を向ける。
「そなたにはいつも感心しております。巫女長である私の娘とはいえ、少しは自由な時間を欲するのが人の常ですのに、幼い頃より、周りが感心するほど熱心に巫女修業をし、己を鍛錬してこられました。この私でさえ、幼き頃は、他の村の子供たちのように遊び回りたいと思っておりましたに。」
「母巫女様が?」
巫女長は軽く苦笑しながら頷く。
「そなたは、いつも何かに急かされてでもいるようでしたが・・・・」
「あ、いえ・・・でも・・そうですね、確かに、早く一人前にならなくては、と思い、修業に励んできたような感じを受けます。」
「一体何がそなたをそう急がせるのか、分かりますか?」
「あ、いえ・・・。」

「そろそろお渡ししてもいいでしょう。」
「え?渡すとは、何を?」
にっこりと笑い、巫女長は傍らに置いてあった小箱を開け、中から何かを取りだして麻依に差し出す。
「これを。」
「これは?」
それは、小さなエメラルドだった。指輪に填める石として加工されたような形だった。
「そなたはこの石をその小さな右手にしっかりと握りしめ、生まれてきました。」
「え?」
「考えられるのは、前世のそなた、あるいは、そなたに深く関わった誰かが、死に逝くそなたに持たせたのでしょう。深く強い想いが石から読み取れます。」
「母巫女様?」
「そなたが何かに急かされるような感じを受ける理由は、おそらくこの石を手に取ればわかるでしょう。」
石を受け取ろうと差し出していた麻依の手が小刻みに震える。
「今のそなたなら石に留まっている想いに流されることもないはず。」
「え?」
「今までそなたにこのことを話さなかったのは、不安だったからです。精神的に成長が足らないままのそなたに渡し、前世の想いのみに囚われてしまうような事になってしまいはしないかと・・そなたがそなたでなくなったらどうしようかと、母は不安で・・・。」
「母巫女様・・」
「ですが、もう大丈夫でしょう。おそらく無意識のうちにそなたを急がせたのは、この石を、前世の想いを早く受け止めるため、思い出すためなのでしょう。」
受け取りなさい、と促され、麻依は未だ震える手で、そっと巫女長の手のひらにあるその小さな石を手にする。
「あ・・・・・・」
その瞬間、石から想いが溢れ、麻依の中に勢いよく流れ込む。
「わ、私・・・・・」
思わず両手でその小さな石をぎゅっと握りしめる。
熱い想いが、心が張り裂けそうで痛みを感じるほどの想いが、麻依の中でよみがえる。
「いっちゃん・・・・」
巫女長は、そんな麻依を今一度温かい笑顔で見つめると、一人そっとそこから立ち去った。


「それで、神獣を探しに奥へ入られると?しかも時操の神獣を。」
「はい、母巫女様。ぜひご許可願いたくお願いにあがりました。」
神降りの滝の社から戻った麻依は、巫女長の社に母巫女を訪ねていた。
「すぐに帰ると約したのです。ですから、別れという別れの時ももたずに・・・」
麻依は前世の最後のときの事とその約束のこと、そして、いっきゅうの事を、簡略に巫女長に話した。
「時操の神獣に、過去に連れて行ってもらおうと?前世のそなたが亡くなったすぐ後に?」
「はい。今山を下りて会いに行くことも可能だとは思いますが、でも・・・すぐ帰るという私の言葉は・・それでは、約束を果たしたことにはなりません。」
「それでも、それほどの相手ならば、きっと待っていてくれると思うのですが、それでは、そなたの気がすまないのですね。」
麻依は真剣な瞳のまま頷いた。

その麻依を、巫女長はしばらくじっと見つめていた。
「いいでしょう。許可しましょう。」
「母巫女様。」
不安げだった麻依の顔がぱっと明るく輝く。
「この地の巫女は、独り立ちのための最後の修業として、神山に入り、己だけの神獣と出会い、それを連れ帰ることで初めて一人前と認められます。本来ならば成人(この地での成人は18歳をさす)まで巫女としての修業を積み、心身共に十分な成長を認めてから、神山に行かせるのですが・・・そなたならば、もう大丈夫でしょう。巫女の最後の修業となる神獣探しの旅、行っておいでなされませ。」
「ありがとうございます、母巫女様。」


「麻依」
「はい。」
「これだけは忘れないでおられよ。前世の想いがあろうとも、そなたは、私の大切な娘です。心から愛しく思う私のかけがえのない娘なのですよ。」
「はい。」
微笑みながら麻依はしっかりと頷く。
「気を付けて行くのですよ。決して急いではなりません。迷う時は、自然の声に耳をすませなさい。己を無にし、周囲の声を聞き、気を感じとりなさい。さすれば自ずと進むべき道が見えてきます。」
「はい、母巫女様。行ってまいります。」

黄金郷アドベンチャー・序章3/その2・時操の神獣

 神山に入る前に、麻依は神降りの滝に数時間打たれ、身を清めた。
そして、白装束に身を包み、麻糸で編んだわらじを履き、杖となる麝香の木の枝を手にし、少量の非常用としての乾燥食と山登りに必要な装備を入れた背負い子を背負い、出発した。
道という道はどこにもない。ただひたすら草木の生い茂った急な斜面を上がっていく。
奥へ奥へと入っていく。


神山へ入ってから1週間が経っていた。
鬱蒼とからみつくように茂っている樹木の間から僅かに見れる空。太陽と星を頼りに麻依は進む。樹木が途切れた山頂付近にあるという氷結洞を求めてひたすら進む。
その氷結洞を通り抜け、クレーター部分に出るのである。
そこは周囲を切り立った絶壁で囲まれ、絶対不可侵とされている神山の中で最も神聖な領域である。
時の止まったようなそこは、常に薄もやで覆われている。
そこには空を映す澄みきった水を湛えた池がある。そこに神獣は水を飲みにくると言われていた。


「ここまで無事来られたけど・・・・」
真っ青な青空を映している真っ青な湖。
ようやくたどり着くことができたそのその湖の淵。
が、周囲を見渡しても神獣どころか、小動物さえいない。
静まりかえったそこには、湖面を翔てくるやさしい風以外何もないようだった。

しばらくその風景を見つめていた麻依は、背負子を降ろすと静かにその淵に正座した。
そして両手に一つずつ翠玉を握ると、その姿勢のまま自分の両横
の地に親指と人差し指を付け、瞑想状態へと入る。
そうすることによって、翠玉を通し、地の声を、自然の声を感じ取ることができるのである。


ゆっくりと時が過ぎていった。
麻依はまるでその風景の一つに溶け込んだかのようにじっと座り続け、誰とはなしに呼び続けていた。
自分の存在を感じ応えてくれる存在に、全身全霊で呼びかけ続けていた。

「あら?」
ふと麻依は自分の顔に冷たい何かが触れたような気がしてそっと目を開けた。
「雪?・・・・・こんな季節に・・雪が?」
見上げると空から真っ白な雪が舞い降りてきていた。
思わず麻依は手にしていた翠玉を膝の上に置くと、両手を合わせて雪を受ける。
綿毛のようなその雪は、麻依の体温ですうっと溶けていく。
「これじゃいつまでこうしていたって手に中には溜まらないわよね。」
それでもいつのまにか彼女の周囲はうっすらと雪化粧がほどこされていた。
「いくら神山だといっても、こんな夏に雪が見られるなんて思ってもみなかったわ。」
牡丹雪が粉雪に変わってきていた。岩陰にでも身を寄せようと、立ち上がろうとした麻依は、立ち上がりざま、草の上に積もった雪に滑って転ぶ。
「きゃっ・・」
思わず手をついたその手は、ちょうどそこに鋭い角を持つ石でもあったのか、血がにじみ出ていた。
(あらら・・・ここまで来るのにあちこち傷だらけになっちゃって、これよりひどい傷もあちこちあるから、このくらいどうということもないけど、まさかここで手のひらを切るとは思わなかったわ。)
傷口を洗うため、麻依は湖の水を傷ついてない方の手ですくい、血を流した水が、湖の中へ流れ込まない位置で傷口にかける。
傷口を洗い流し終わり、そこにしゃがみ込んで背負子の中から布を取り出そうと手探っている麻依の背中をぽんぽんと軽く叩くものがいた。
「え?」
振り向いたそこに真っ白な猫がいた。
(ね、猫?・・・さっきまで動物の気なんてなかったのに・・・)
そう思いつつ麻依は、その猫の頭を撫でようとそっと手を差し出す。
「猫ちゃん、どこから来たの?ひょっとして神様のお使い?名前はあるのかしら?」
手のひらの傷のことなど忘れて麻依は、うっかり傷をした手で頭を撫でていた。
「あ・・ご、ごめんなさい、私の血がついちゃったわ。」
痛みもさほどなく、血も洗い流した時点で止まったと思えたのだが、どうやらまだ多少にじみ出ていたらしい。その白猫の頭の毛に麻依の血がうっすらついていた。
麻依は慌てて再び湖の水をすくうと、白猫の頭にかける。
「契約は成された。」
「え?」
不意に白猫から人の言葉、いや、直接麻依の頭に話しかけてくる声があった。
「一度目の血の契約は地精が介し、二度目の契約は水精が介し、そして、三度目の契約は・・・」
「え?」
そこで言葉を切り、数瞬間を置いたのち、白猫は、嬉しそうな笑顔で、麻依のその傷口を舐めた。
「私に名を、巫女殿。」
「名前?あ・・じゃー、ゆきというのはどう?」
思いがけない一連のその出来事に、麻依は何が何だかわからないまま返事をしていた。深く考えもせずに。
「ゆき・・雪が降ってるからか?」
「え、ええ。雪のように真っ白だし、雪と一緒に表れたから。・・いけないかしら?」
「なんとも単純な思いつきだが・・・・まー、いいだろう。」
「あ、ごめんなさい。簡単すぎよね。じゃ、もっと真剣に考えるから。」
「いや、それでいい。」
「え?いいの?」
「純粋に思い浮かんだ名だ。悪くない。」
「あ、あは♪・・で、さっきの猫さんの言葉だけど、契約は成されたって?」
白猫は、麻依のその言葉に、大きく目を見開き、呆れたように暫く彼女を見つめていた。
「はははは♪楽しい♪愉快じゃ♪巫女殿。そなたはここに、神獣を求めてやってきたのではないのか?」
「え?・・あ・・じ、じゃー・・・」
「楽しい人の娘(こ)だ。ますます気に入った♪では、最後の契約だ。神湖(かむこ)へ共に入ろうぞ。」
「神湖・・あ、ああ、この湖のこと?」
「そうだ。それとも雪が降りしきる寒さの中では入れないと?」
「いいえ!それは大丈夫です。真冬であろうとも禊ぎに入水はいたしております。」
「そうか。では、まいれ。それで巫女殿とわたしとの主従関係は確固たるものとなる。」


「そういえば、巫女殿の名は?」
「あ、そうね、まだだったわね。私、麻依というの。」
「麻依か・・では、私を抱いて湖へ入ってくれ。」
「はい。」

麻依は履いていた草鞋をぬぎ、白猫を抱いて、身の切れるような冷たさの水の中へと入った。
岸辺の浅瀬から中央へと歩いていく。
そして、水位が肩までのほどのところで行ったとき、不意に湖水が躍り上がった。
「きゃあっ!」
その驚きで思わず抱いていた白猫を離してしまった麻依は、目の前の光景に驚いた。



「も、もしかして、あなたが、白猫の・・ゆきの本性?」
「そうだ、巫女殿。」
目を見開いて白蛇のようでもあり、竜のようでもあるその生物を麻依はじっと見上げていた。

「最後の契約をする前に、巫女殿に言っておきたいことがあるのだが、いいか?」
「え、ええ。」


「巫女殿はこことは異なる世界で、世界を救う運命の男女というカギを担った。」
「え?」
麻依を見据えたまま、話し始めた白獣を麻依は驚きの目で見つめる。
「その時の記憶を有し、今その時の運命の男に再会したいが為、時を操る神獣を求めてここへ来た。」
麻依は返事も忘れ、じっと白獣を見つめていた。
「巫女殿は、自分のその記憶の中での前世が1つ欠けていることにはまだ気付いていないであろう?」
「え?・・1つ欠けてるって?」
「そうだ。」
白獣は真剣な表情で話す。
「運命の男女として一生を終えたその生の次は、今あるこの世界に転生したと記憶しているであろう?海賊としての生涯、その生で出会った男は、今巫女殿が会いたいと願っている男の前世。」
「え、ええ、そうですけど、違うんですか?」
白獣は意味深な笑みを浮かべて続けた。
「その前に一つある。いや、巫女殿にとっては2つの生か?」
「え?2つ?」
「そう、海賊としての生を途中で断たれたが、あの世へは行かず、人魚として留まった2つの生で終えた生涯。」
「え?・・・途中で断たれて人魚になったの?」
「そうだ。この地での幾たびかの転生は、すべてそこにつながっている。かの地でのあの悲劇を繰り返さぬよう、いや、できることなら同じ運命を辿るような者たちを生み出したくないという気持ちが巫女殿とそしてその男とのこの地での転生を計っていたと言ったらどうする?」
「どうするって・・・」
麻依は考えていた。というより、あまりにも予想だにしなかった白獣の言葉に、驚いていた。
「でも、そうだったとすると、どうなるの?」
「私は巫女殿が願った時操の幻獣だ。」
「え?ホントに時操の?」
「そうだ。しかし完全ではない。」
「え?」
「私が操作し行けるところは過去のみだ。」
「それはかまわないわ。過去で十分よ。」
「そして、過去の流れの中に、今言ったかの地に留まっている強い意識がある。」
「それって、もしかしたら、引きずられるかもしれないってこと?」
「さすが察しがいいようで、話がしやすい。おそらくは・・・巫女殿の運命の男が亡くなった後にはなるだろうが。」
「・・・・」
麻依はしばし考える。
「いっちゃんがあの世へ旅立ってから、過去へ呼び戻される・・ううん・・引き込まれるということ?」
「一方的にではないが、巫女殿の意思があればのことだ。時の流れに乗って、かの地、過去からその呼び声は、年々強くなってきておる。」
「呼び声・・・・それは私だけでいいの?いっちゃんは?」
「いっちゃん、それが運命の男の名か?」
「あ、そ、そう。愛称だけど。」
「光と闇の戦い、それを封ずるカギとなるのは、巫女殿の巫女としての力の目覚めと、何も恐れず何にも屈しない2人の血を引く人物だ。」
「私といっちゃんの血を引く・・それは、あの時の?」
「そうだ。定期決戦となってしまった光と闇の戦いを今後止められるかどうかは分からないが、かの地の時の流れは、それを欲しておる。異世界という障壁を複雑に絡ませた時の流れがそれを欲しておる。それはその強い意志なのか、それともかの地の意思なのかは分からぬが。」
「そ、そう・・・・。時の流れにそんなにも影響を与えてるの、その意思は。(それっていっちゃんの意思よね。そりゃ私もそうなったらいいなと思ったし、思ってもいるけど。)」
「故に、私と最終契約を結ぶのならば、必然的に、その運命も付随することになるが・・よいのか?」
「いいわよ。」
「は?」
即答した麻依に白獣は驚く。
「だって、結局は逃れられない運命になるのよ。それなら逃げても無駄。逃げるよりこっちからそのつもりでいけば、打開策はそのうち見つかるわ。」
「見つからなかったらどうする?」
「その時はその時よ。解決策が見つからなかった場合でも、世界は変わらないわ。」
「まーな。」
「おそらくかの地、かの時代へ呼ばれるのは、巫女殿の運命の男がこの世を去ってからだと思われるが。」
「そうなの?いっちゃんと一緒に過去へ行くんじゃないの?」
「これは私の予想だが。そして、これは巫女殿に従う条件なのだが。」
「なーに?」
「このこと、その男には一切話さぬこと。」
「え?話しちゃだめなの?」
「私の主は巫女殿一人。話せば私はその男を殺さなければならない。私の言葉は主たる巫女殿で留まらなければならない。」
「そ、そういうものなの。・・・・・いっちゃんにばれずにすむかどうか自信ないんだけど・・・私から話さなければ、約束は守ったことになるわよね。」
「な、なんだ、それは?」
「だって、そういう人なのよ、いっちゃんって。」
しばし白獣は麻依を見つめていた。
麻依もまた白獣をじっと見つめていた。
「わはははは♪楽しいぞ、巫女殿。分かった。委細承知した。今より、我が主は巫女殿だ。普段は先ほどのように白猫でおるからそのつもりでいてくれ。」
「わかったわ。よろしくね、ゆき。」
ふっと白獣の姿は一瞬にして麻依の目の前から消え、その代わり彼女の両手には、あの白猫がいた。
白猫は無邪気に一声鳴いてから、テレパシーで話かけた。
「じゃ、麻依、山を下りて巫女長から町へ出る許可をもらおうよ♪」
「ええ、そうしましょ♪」
白獣のときの威厳のある口調から、親しみを込めた口調へ替えた白猫に、麻依はにっこりと笑って返事をした。
「あら?いつの間にか雪も止んだのね?」
真っ青な空と降り注ぐ夏の陽射し。
そのまぶしさに目を細め、しばらく青空や光を弾いて輝く雪溶け水の水滴で身を飾っている緑の木々の美しさみ目をやってから帰路についた。


黄金郷アドベンチャー・序章3/その3・別れ

神獣ゆきの力を借り、過去へ行って愛しい人、いっきゅうと再会、そうして、リアルタイムで改めて再会し、結婚と幸せの日々を送っていた麻依。
しかし、それもいっきゅうの死と共に、消滅した。

「あなたっ!いっちゃん!」
覚悟していたいっきゅうの死。年齢の差。
転生し出会い、そして、また死別する。それを何度繰り返しただろう。何度繰り返そうと決して慣れはしない。慣れるはずもない。
その哀しみはいつも麻依をどん底へ突き落とす。
ただ、それでも、それまでは希望があった。
『大丈夫だよ。すぐ生まれ変わってくる。必ずキミを見つける。また出会おう!そして、また恋をしよう!熱い恋を!』
いっきゅうの残す言葉には、いつもそれがあった。
が、今回は違っていた。
眠るように麻依の傍らで息を引き取ったいっきゅうが残していった遺書は、おぼろげながら感じていたそのことをはっきりさせた。


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麻依。とうとう別れの時が来たようだ。
今までありがとう。たくさんの愛をありがとう。とても幸せだったよ。

30人の子宝にも恵まれてσ(^◇^;) 2人の(ほんとはただひとりの)まいのおかげだ。感謝してる。(補足:麻依との子どもが18人、前世の舞華との子供が12人)泣かないで、笑って見送っておくれ。


ただ・・・キミも気がついているだろうけど、今回の別れはちょっと特別かもしれない。
すぐに再会を約束できない。

オレたちは、別れのたびに再会を誓い合ってきた。何度でも転生して、意地でもキミの魂を探した。

でも、どうやら、しばらく、別々の道を歩まなければならないようだ。

しばらく前から、オレにはひとつの未来が見えていた。
できればそうあってほしいと願う未来だ。
そのために、あえて、別々の道を歩む必要がある。

ずっと手を携えて歩んできた。そして、強い絆を結んできた。その絆の強さを信じているからこそ、オレはあえて、その先のステージへと歩を進めようと思う。

麻依。よく聞いておくれ。キミは光の道を進むんだ。
オレは相反する世界へと行く。闇へと行く。
光の側からだけでは答えは見えてこないから、オレはあえて反対方向から攻めてみる。

再び出会うとき、オレとキミは、敵として向かい合うことになるかもしれない。
ちょっと(だけか?)きつい選択だが、オレとキミなら乗り越えられるはずだ。今までだって、たいがいの試練はくぐり抜けてきたじゃないか。


光と闇、相容れないはずの存在。際限なく戦い合う存在。
そのばかばかしい繰り返しに終止符を打つために。

光のキミと闇のオレが新たな世界を構築することができるか。新世界のアダムとイブになれるか。チャレンジだ。

きっとできると信じている。
なぜって、オレたちは、強く強く愛し合っているから。それはどんな姿になろうと永遠に変わらないから。

ひとつ、言っておく。どんな結末を迎えようと、けっして怯むな。けっして顔をそむけるな。けっして悔やむな。
大丈夫だ。心配するな。オレのことを信じてくれ。オレもキミを信じているから。

麻衣・・・・愛しているよ。ずっと、ずっと、何百年たとうと何千年たとうと、この世に生命が存在する限り、オレはキミに愛を誓うよ。
悪魔に心を売り渡そうと、その愛は変わらない。ぜったいに!

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(いっちゃん・・・私の方こそずっとずっとありがとう。とっても幸せだったわ。
うん、そうね、泣かないわ。とびっきりの笑顔で見送るわ。
今日という日を覚悟してたのに、言葉がでないわ。何を言っていいのかわからない。
そう、一つだけ、分かってるわ。私の気持ちは何があっても変わらない。
ずっとずっと変わらないわ。愛してる。あなただけを、いつまでも。)

そう心の中で返事をしたものの、その心の片隅で、麻依は覚悟を決めていた。

(そう・・私のいっちゃんはあなただけ。今、目の前で眠っているあなただけ。
今まで幸せに暮らしてきたあなただけ。
あなたはきっとこの地に生まれ変わってくるわ。それも分かってる。
でも、それはあなたじゃない。私のいっちゃんじゃない。それはまるっきりの別人。
ごめんなさい、そう思わせてね。でないと私、行動に移せない。一人で歩けない。
だって、しばらくって・・私、そんなに強くないわ。出会ったときは相対する立場だなんて・・・。
光と闇との戦いに終止符を打つ為だと言われたって、私には、あなたのように簡単に割り切れないわ。
そう、いつもあなたは見事に割り切って、前を見て進むけど、私は・・・・・。
だから・・・こう思うことにしたの。あなたはずっと私の中にいる。私のいっちゃんは、ずっと私の心の中・・・。
同じ魂の人物と出会っても、それは私のいっちゃんじゃない。決してそれはいっちゃんじゃない・・。
・・・そうでも思わないと、あなたを探してしまうわ。例え、あなたに拒絶されようと、離れてなんていられないわ。

だから、私はそう思うことにした。これは私の自己防御。
軽蔑していいのよ、私は少しも強くないし、自分がかわいいわ。世のため人のためよりも。
だから、想いが暴走しないように、心の中に閉じこめるの。
一人で歩かなければならないのなら、私には必要な事なの。いつまでもあなただけが私の支えなの。)


いっきゅうの葬儀を終え、身の回りのものを整理すると、麻依は子供たちを連れて緑峰山へ、巫女の里へ帰った。

いつも手を取り合って歩いてきた。その手を離し、これから来るべき、いや、進むべき、険しく孤独な道へ歩を進める為に。 


※いっちゃんの遺書はみずきさんが書いてくださったものです。いつもありがとうございます。

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